衛藤公雄さんと森雄士さんのこと

私は、子供の頃は生田流正派でした。

でも、お近くに宮城道雄直門の先生がいらして、手ほどきの小曲集や宮城先生作曲の曲は、宮城の教本で稽古しておりました。

衛藤先生の曲も合本で沢山弾いておりました。

随分前のことですが、渋谷？のジャンジャンという、その昔ジャズ喫茶があったところをライヴ会場として改装した処で、お正月に衛藤先生のﾘｻｲﾀﾙがあるのを知り、伺いました。

今、思ってもよくぞと思います。

全く、目の前で直に聴かせていただきましが、とても、繊細な方のようにお見受けいたしました。きれいな爪音でした。

何曲かのうち、数え唄変奏曲のﾊｰﾓﾆｯｸｽの部分をよく記憶しております。

森雄士さんは、音源を持っていましたので、昔から御山獅子や西行桜、ながらの春、さむしろ等々、お聴きしておりました。

一番素晴らしいと思いましたのは、ある時お聴きした、宮城道雄作曲の手事と衛兵の交替でした。

何というか、今まで聞いたことのないような手事でした。

数年前、森雄二さんのﾘｻｲﾀﾙのご案内状がまいりました。

点字によるものでした。

恩師宮城道雄にささぐというような副題があったように記憶しております。

でも、丁度その日は、私は横浜三曲で雲井みだれを弾く日で伺う事ができませんでした。

お聴きしたかったです。

生田流箏曲　新箏会　主宰　新谷幸子


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