新春、料亭で楽しむ箏と懐石 曲目解説
~新春、料亭で楽しむ箏と懐石~
曲目解説

と き:平成27年1月25日(日)
ところ:料亭滝川
春の海 宮城道雄作曲
尺八と箏による標題楽です。
宮城道雄の代表作として、世界中によく知られている曲です。
宮城道雄師は、この曲について次のように説明していらっしゃるそうです。
「昭和5年に、海辺の巌(かいへんのいわお)という勅題に因んで作曲したものである。大体の気分は、瀬戸内海を旅行した際に、島々のきれいな感じ、それを描いたもので、ここが波の音、ここが鳥の声とか、いってしまうと面白くないが、大体はのどかな波の音とか、船の艪(ろ)を漕ぐ音とか、また鳥の声というようなものをおり込んだ。曲の途中で少しテンポが速くなる処は、船唄を歌い乍ら、艪(ろ)を勇ましく漕ぐというような感じを出したものである。これを一般に発表したのは、前の年の暮であったが、日比谷公会堂で、吉田清風氏に尺八を吹いてもらって初めて試演的に演奏した。
その時、批評家の牛山充氏が「君達は、まだ春にならぬこの暮れの忙しい際に、“春の海”なんてそんなのんびりした気持になれるから倖せだ」と笑われた。本当の発表は翌年の春であった。」
何かしら、宮城道雄師のお人柄がおしはかれる一文で私はとても好きです。
五段砧 光崎検校作曲
箏の高低二重奏曲の最初のものといわれており、雲井調子の高音は秋色を、平調子の低音は砧をあらわしているといわれております。
今の度は、箏低音と尺八による緩急と合奏の妙をお楽しみいただきます。
なお、五段砧の前に佐山検校作曲の三段獅子をとり入れて、演奏する場合もありますが、今の度は、純粋に光崎検校の五段砧のみを演奏いたします。
千鳥の曲 吉沢検校作曲
古今全葉集の和歌をその歌詞として古今組と称されております。
前弾は、ゆるやかな旋律のうちに、波の静かに打ち寄せる景観を描写し、手事は千鳥の渚に飛び交う磯辺を想起させ、後弾は、関守のさびしい気持がまざまざと思いやられるあわれ深い感興を呼び起す、後世に残る「稀有の傑作」といわれている純箏曲ものです。
引用文献
吉川英史・上参郷祐康著「宮城道雄作品解説全書」
松沢冬秀著 「箏曲歌詞解明」
ぜひ、いらしてくださいますようご案内申し上げます。
生田流箏曲 新箏会 主宰 新谷幸子
◇田園調布教室(東京)七月開講いたしました。
横須賀・横浜・東京教室共に入会随時受付中です。
生田流箏曲新箏会HPはこちらから
お教室のご案内はこちらから
お問い合わせはこちらから
<お箏(お琴)教室 横浜・横須賀・東京>
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と き:平成27年1月25日(日)
ところ:料亭滝川
春の海 宮城道雄作曲
尺八と箏による標題楽です。
宮城道雄の代表作として、世界中によく知られている曲です。
宮城道雄師は、この曲について次のように説明していらっしゃるそうです。
「昭和5年に、海辺の巌(かいへんのいわお)という勅題に因んで作曲したものである。大体の気分は、瀬戸内海を旅行した際に、島々のきれいな感じ、それを描いたもので、ここが波の音、ここが鳥の声とか、いってしまうと面白くないが、大体はのどかな波の音とか、船の艪(ろ)を漕ぐ音とか、また鳥の声というようなものをおり込んだ。曲の途中で少しテンポが速くなる処は、船唄を歌い乍ら、艪(ろ)を勇ましく漕ぐというような感じを出したものである。これを一般に発表したのは、前の年の暮であったが、日比谷公会堂で、吉田清風氏に尺八を吹いてもらって初めて試演的に演奏した。
その時、批評家の牛山充氏が「君達は、まだ春にならぬこの暮れの忙しい際に、“春の海”なんてそんなのんびりした気持になれるから倖せだ」と笑われた。本当の発表は翌年の春であった。」
何かしら、宮城道雄師のお人柄がおしはかれる一文で私はとても好きです。
五段砧 光崎検校作曲
箏の高低二重奏曲の最初のものといわれており、雲井調子の高音は秋色を、平調子の低音は砧をあらわしているといわれております。
今の度は、箏低音と尺八による緩急と合奏の妙をお楽しみいただきます。
なお、五段砧の前に佐山検校作曲の三段獅子をとり入れて、演奏する場合もありますが、今の度は、純粋に光崎検校の五段砧のみを演奏いたします。
千鳥の曲 吉沢検校作曲
古今全葉集の和歌をその歌詞として古今組と称されております。
前弾は、ゆるやかな旋律のうちに、波の静かに打ち寄せる景観を描写し、手事は千鳥の渚に飛び交う磯辺を想起させ、後弾は、関守のさびしい気持がまざまざと思いやられるあわれ深い感興を呼び起す、後世に残る「稀有の傑作」といわれている純箏曲ものです。
引用文献
吉川英史・上参郷祐康著「宮城道雄作品解説全書」
松沢冬秀著 「箏曲歌詞解明」
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by kotocoral
| 2014-12-15 11:11
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